腸は、第二の脳と呼ばれ、脳と密接な関わりがあります。
腸内環境についてテレビや雑誌でもでも多く取り上げられていますよね。
最新の研究では、腸内フローラや腸内環境を改善して腸内細菌のバランスを整えていくことは、認知症の予防にも効果的といわれています。
では腸内フローラと認知症はどのように関係してくるのでしょうか。
それは、「腸内細菌のバランス」と「便秘」の問題が挙げられます。
認知症やアルツハイマー病の患者さんの腸内フローラは、健常者の腸内フローラと比較した場合、悪玉菌の菌数が顕著に高い傾向にあったと最近の研究で明らかになりました。
では、腸内フローラを改善することが脳の機能を健康に保つのに本当に関係してくるのでしょうか?
消化管である腸にも、脳のおよそ6割にものぼる数の神経細胞が存在するとされています。
腸には、多数の神経細胞が存在します。腸の神経細胞の数は大脳の次に多く、ほかの神経細胞を全部合わせたよりもたくさんです。
さらに、脳内で分泌される「セロトニン」や「ドーパミン」といったホルモンの前駆体は腸で作られることが知られています。
神経伝達物質の「セロトニン」は幸福感に関わりますし、「ドーパミン」はやる気や報酬系に関係しています。
この「セロトニン」や「ドーパミン」が合成されるためには、ビタミンB6や葉酸といったビタミン類が必要になるのですが、
そのビタミン類を効率的に作り出すのは腸内細菌です。
それに加えて、腸内細菌は精神を安定させ、認知症の予防に対しても期待が持てる「GABA」の生産にも関わっているとされています。
普段からビタミンB群やGABAなどを生み出してくれる腸内細菌のバランスを整え、腸内フローラを改善していくことは、脳や心の健康を保つことにつながっていきます。
善玉菌のうちの特にビフィズス菌は加齢と共に減少していくとされているため、年齢を重ねれば重ねるほど腸内細菌のバランスが崩れやすいと考えられています。
65歳以上に限らず、30代・40代や50代からでも腸内フローラのバランスを整えたり腸内環境を改善したりするよう心がけることは、認知症を予防したり、発症を遅らせたりするために効果的です。
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