認認介護とは
老老介護の中でも、認知症の要介護者を認知症の介護者が介護していることを認認介護といいます。事故が起きやすい危険な介護状況の一つです。
2010(平成22)年に山口県で行われた調査と推計では、県内で在宅介護を行っている世帯の10.4パーセントが認認介護状態にあるとされました。
元々認知症は要介護状態を招く原因の上位に入っているため、高齢の要介護者には認知症の人が多いという現状があります。そうした事情を考えてみると、老老介護がやがて認認介護状態になるのはそう珍しくないことがわかるでしょう。
山口県の数字も「推計」である通り、老老介護の中には、「自分に認知症の症状がある」という自覚が無いまま介護を続けている人もいると考えられ、その割合や実態はつかみにくいものです。
認認介護の問題点
認認介護でまず起こり得るのは、認知症による記憶障害や判断力・認識力の低下により、食事や排せつその他の必要な世話をしたかどうか、介護者にもわからなくなってしまうことです。認知症には「食欲の低下」という症状があり、自分で気付かないうちに低栄養状態に陥ることも考えられます。体力の衰えている高齢者には、低栄養状態は危険です。
水道光熱費などの支払いを忘れて、生活環境を維持できなくなることもあるでしょう。
金銭の管理が曖昧になると悪徳商法や詐欺のターゲットになりやすいですし、火の不始末による火事や、徘徊中の事故も心配です。
認知症の要介護者は、介護を強硬な態度で拒むことも多く、拒否されたほうが「なんとかしなければ」と力づくになってしまい、事件や事故につながることもあります。認知症の介護者が、自分が何をしているのか認識できないまま加害者になってしまうケースです。
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