認知症の介護に疲れたら/介護疲れの対処法

認知症患者の方に介護をしていると自分のほうが疲れてしまって、もう限界!と思うことはありませんか?

今日は、在宅介護において、介護する側が陥ってしまいがちな「介護疲れ」による症状と心理的な負担を減らす方法をご紹介します。

介護は独りでするものではありません。

ちょっとした工夫による疲れの解消方法や、周囲の方や行政、各種施設の力を借りてできることを知って、気持ちの良い介護を実現できるようにしましょう。


認知症介護の心理的負担を減らすためには

介護をする中で誰もが感じるのは、自分がつらいと思うことを避けようとすると、それが自分にとって疲れの原因となり、ますます介護がつらくなるということ。

介護から逃れたい、疲れないようにしたい、と思うからこそ、余計につらくなってしまうのです。

介護の時間を減らしたい。

自分が苦手とする作業は絶対にやりたくない。

このように、誰しも思うはずです。しかしそんなにラクな介護はありません。介護は時間も体力も必要な、大変なことなのです。

それでも、無理してつらいことに立ち向かう必要はありません。立ち向かうのではなく、うまく受け止め、周囲の力や自分自身のテクニックで、介護という生活の一部の作業として上手に片付けていくのです。

真正面から受け止めようとするからつらくなります。「ああ、また面倒なことをしないと」というこの気持ちを態度に出してはいけませんが、決して真正面から受け止めず、冷静に淡々と処理しましょう。そのために必要なのが、ここで紹介している介護疲れを解消するためのテクニックです。

もちろんこんなことで解決されない問題もあるでしょう。しかし、大事なのは「自分の中で、介護に対してどのような考え方をするか、どのような価値観を持つか」です。

ここで紹介している、介護疲れを軽減するための方法を実践すれば、少しずつ介護がラクになっていきます。ぜひ、活用してください。

周囲を頼る

「介護は自分の問題だから、自分一人でなんとかしなくてはいけない」と思ってしまう人は多いようです。しかし、それではいつまでたってもラクにならないばかりか、状況は悪化してしまいます。

心理的な疲れが大きい場合は、まず周囲に相談してください。心理的な問題は、「誰かに話し、理解してもらう」ことにより、心が軽くなるように感じられ、軽減することがあります(悩み事は一人で抱えると大きくなり、誰かに話すことで小さくなるものです)。

また、もっと具体的にサポートしてもらうためにも、家族はもちろんのこと、友達や親戚に今の状況を話して、例えば「土曜日の午後だけ介護を手伝ってくれない?」「月曜日だけ介護をサポートしてほしい」というように、「限定的」にお願いすれば、相手にも負担が少なく、快く引き受けてくれる可能性が高まります。

認知症患者の介護をしている人は、「誰にも迷惑をかけたくない」として、一人で抱え込むというケースが非常に多いようです。特に患者のことを大切に思うほど、「しっかりしなくては」と思って、自分を追い込んでしまいます。しかしこれでは、疲れは溜まるいっぽうです。

認知症患者に多い昼夜逆転生活に付き添っていたり、徘徊を心配していたりすると、介護をしている人は慢性的な睡眠不足に陥ります。睡眠が足りていないと頭も回りませんし、フラストレーションも溜まっていくでしょう。そうならないためにも、まず周囲に相談する、サポートが必要な場合はそれを具体的にお願いする、ということが大事です。

もし、限定的な時間だけでも頼れる人がいなかったら? その場合は、次の項目を参考にしてください。必ずどこかに頼れる人はいるものです。気を落とすことなく、次の行動を起こしましょう。

専門機関に相談する

市区町村の窓口

「お住まいの地域+認知症」でインターネットを用いて検索すると、地区町村の認知症相談窓口が見つかります。現状(患者の症状、介護する人の状態など)を具体的に伝えれば、具体的なアドバイスがありますので、ぜひ参考にしてください。

「高齢者総合相談センター」

シルバー110番です。どんなことでも、専門家が無料で相談に応じてくれます。

電話番号は#8080(はればれ)。

保健所・保健センター

各地域の保健センターではあらゆる相談に乗っています。近所にある場合などは特に、こちらへ問い合わせてみましょう。また、認知症患者をデイサービスに預けて、気分転換をすることも大事です。「お住まいの地域+認知症+デイサービス」と検索すると、近所にあるデイサービス事業所を見つけることができます。

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